ホッキョクグマは、地上最大の肉食獣と言われています。雄の体長は、2.5~3メートル、体重は350~600kgにもなります。雌は、雄よりひと回りくらい小柄です。
ちょっと難しい話になりますが、恒温動物では、同じ種でも寒いところに生息するものほど体重が大きくなります。これをベルクマンの法則といいます。よく似たものにアレンの法則(※1)というものがあります。表面積を減らして、体温を逃がさない工夫です。なので、他のクマの仲間に比べると、体が大きく、耳が小さいのです。
シロクマとも呼ばれるように、その体毛は白く(実際には透明)、中が空洞になっていて熱をためることができます。
また、足の裏には肉球の部分を除き全体に毛が生えていて、氷から足を守り、滑り止めの役割も果たしています。
神戸市の王子動物園には、現在2頭のホッキョクグマがいます。雄のアイスと、雌のミユキです。2頭の好物は、馬肉、ゆで卵、ゆでたサツマイモです。サツマイモが好きなんて、ちょっと意外ですね。このほかに、白菜、食パン、魚肉ソーセージ、アジ、リンゴ、チンゲン菜、クマ用のビスケットなどももらっています。
もともと北極圏に住んでいる動物なので、やはり夏の暑さは苦手なようです。
そんな2頭に、毎年、夏には氷のプレゼントがあります。私も何度か見に行ったことがありますが、アイスが大きな氷を独り占めにして、ミユキが隅の方で小さな氷をペロペロなめていたのが、何ともかわいそうだったのを覚えています。
なかなかレディファーストとは、いかないようです。
※1....アレンの法則---恒温動物において、同じ種の個体、または近縁のものでは、寒冷な地域に生息するものほど、耳、足、尾などの突出部が短くなる。
ミユキ
2009年3月1日神戸市立王子動物園にて